歯磨き指導
子供にやらせたい場合は、親からやるように仕向けることです。
子供を背負って、鏡の前で楽しそうに歯を磨いてください。子供は興味を持って歯ブラシを欲しがります。
小さいうちは、寝かせ磨きをすすめます。お母さんの膝に頭をのせ、お子さんの口唇を軽く指で持ち上げて、歯肉を傷つけないよう優しく磨いてあげましょう。
歌をうたったり楽しい会話をしたり、子供とのふれあいをする感覚で一緒に楽しみながら磨くといいでしょう。
子供の機嫌が悪いときや眠いとき具合の悪い時は、無理をせずできる範囲でやりましょう。
徐々に時間を決めて生活のリズムを作ってあげましょう。習慣づけることです。
間違った歯磨きは、歯肉を傷つけ歯を削ってしまいます。大切な歯を長持ちさせるために、年代、歯並び、口の中の状態、磨き癖などを見て、あなたに合った歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなど清掃用具と磨き方を提案いたします。
歯を失う原因
歯を失う原因で最も多いのは「むし歯」ではなく「歯周病」です。 「歯周病」によって歯を失う方は35歳頃から増加し、45歳以降では「むし歯」を抜いて歯を失う主原因のトップになります。
【歯肉炎】
プラークが歯の周りに付着することで歯肉に炎症が起こり、歯周ポケットが作られます。 炎症の原因であるプラークが除去されると改善します。
【歯周病】
歯肉炎が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)にまで影響が及びます。 歯茎から出血や膿が出たり、口臭も強くなります。 歯槽骨が溶かされてしまい歯がグラグラして、最終的には歯が抜けてしまします。
原因はプラーク中の細菌
歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)中の細菌です。
歯周病原性細菌から出される毒素によって歯周ポケットが作られます。
ここは細菌にとって住みやすい環境です。
歯周ポケットの中では歯周病原性細菌が毒素をどんどん作り出し、歯周病を悪化させていきます。
歯周病が悪化すると歯ブラシを当てただけで痛くなり、ブラッシングが疎かになります。
そうなると、さらに歯周病が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
歯周病と全身の健康
近年、歯周病原性細菌が全身の様々な疾患に影響を与えていることを示す研究結果が多数発表されてきています。 歯科医師、歯科衛生士と一緒に「歯周病」を治しましょう。
歯周病の治療
歯周病のもっとも基本的な治療法は、プラークコントロールです。
病原性プラークを除去し、口の中のプラークを正常なレベルに維持し、環境を整えることが重要です。
そのために通常、歯垢や歯石の 除去とブラッシングの指導が行われます。
口臭予防
口臭治療
自分や他人の口臭が気になったことはありませんか?誰もが気になる口臭。
爽やかな息になりたいと、いろいろ努力している人もいるでしょうが、 そのやりかたは、本当に正しいのでしょうか?
間違ったやり方は、口臭をひどくするだけです。
正しいケアの仕方を知っておきましよう。
口臭の原因
口臭の主な成分は、揮発性硫黄化合物(VSC)で、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどがあげられます。
ちなみに、人が悪臭と感じる臭いは、
スカトール(尿のにおい。アンモニア、アミン類などの窒素化合物)
イソ吉草酸(靴下のムレたようなにおいや、油の腐ったような臭い)
メチルシクトペンテノロン(砂糖が焦げたようなにおいや、卵が腐ったような臭い)があります。
口臭の原因となる揮発性硫黄化合物は、メチルシクトペンテノロンに含まれます。
口の中の病気が原因のケース
1.歯周病
歯周病により、歯肉から血や膿が出ているときは、強烈な口臭の元になります。
特に、歯周病進行度が歯周ポケット(歯と歯茎の間の深さ)で4mm以上になると、他人が必ずといって良いほど口臭を感じるようになります。2.虫歯
一本くらいの虫歯が口臭の原因になることは少ないですが、虫歯の穴につまった食べカスは腐敗してニオイを出します。3.舌苔(舌の上についてる白い苔)
舌苔が過剰に付着すると口臭の原因になります。
舌苔がいつも過剰に付着するのは、胃腸などのトラブルを疑ってみる必要があります。4.唾液の異常
唾液には、細菌を殺菌したり、洗い流す効果がありますが、口の中の粘膜が炎症していたりすると唾液の力が正常に働きません。
また、最近話題になっている「ドライマウス」は口の中が乾燥して、唾液の力が働かず口臭の原因になります。
ドライマウスは、口呼吸、基礎疾患、代謝異常、ビタミン不足、長期にわたる薬物の利用によって起こります。
全身疾患が原因のケース
臓器が悪くて起こる口臭は、臓器から排出された代謝産物が血液中に溶け込み、呼吸によって排出されることによって起こります。このほか、高熱が出たとき、鼻炎にかかったときなど、口で息をするために唾液が渇いてしまい、一時的に口臭がきつくなることがあります。
その他、慢性胃炎や胃のただれ(臭いゲップが出ることが多い)、気管支カタルなど呼吸器系の病気、蓄膿症、慢性扁桃炎、アデノイドなど耳鼻咽喉科系の病気(口だけでなく、鼻からの息も臭う)、糖尿病(甘酸っぱい臭い)、肝臓病、腎不全、白血病、癌なども口臭を伴うことがある病気です。
口臭の治療
- 虫歯や歯周病を治療する。
- 歯周病の治療は、口臭予防に効果的です。
口臭の50~60%は、歯周病が原因であると言われています。 - 毎日のお口のお手入れ。
- 歯磨きや、舌磨きをする。
舌苔の除去は口臭治療に効果的です。 - 洗口剤の利用も効果がある。
- 洗口剤自体の消臭効果は微弱ですが、歯の汚れが抑制されるので、結果として、口臭予防になります。
- 一人で思い悩まず、歯科医院に相談してみる。
- 虫歯や歯周病、口腔粘膜の異常が見つかることもあります。
クリーニング
予防歯科
健康で美しい歯を保つポイント!ホームケアの充実
- 歯と歯ぐきとのさかい目や、歯と歯の間の汚れを念入りに落としましょう。
- 食生活や歯磨き習慣など生活習慣を見直しましょう。
- フッ素やキシリトール等を積極的に取り入れましょう
プロフェッショナルケアを定期的に受ける
- 痛みなどがなくても、3~4か月毎に定期的に受けましょう
PMTC(歯のクリーニング)を定期的に受けましょう
Professional Mechanical Tooth Cleaning(専門家による機械的歯面清掃)
通常の歯磨きでは落とすことができない場所、磨き残しやすい場所のバイオフィルムを徹底的に除去し、 ヤニなどの着色を落とします。処置後は歯がツルツルになり、爽快感が得られます。
きれいになった歯に高濃度のフッ素等を塗布することで、歯質強化に期待できます。
また、PMTCを定期的に繰り返すことで歯の表面がすべすべになりますので、 バイオフィルムが付きにくい口腔内環境を作ることができ、ホームケアもスムースになります。
その結果、「歯周病や虫歯の発症予防・進行抑制のリスクを70%減らすことができる」と報告されています。
PMTCの効果
- 歯質の強化
- 研磨用のフッ化物入りペーストにより、再石灰化(カルシウム等)を促進し、歯のエナメル質を強化します。
- むし歯の予防
- 細菌性バイオフィルムを破壊し、プラークを除去し、再付着を防ぎ、虫歯を予防します。
また、エナメル質表面へのカルシウム補給を助けます。 - 歯周病・歯肉炎の改善・予防
- 歯面から歯肉縁上ならびに、歯肉縁下1~3mmのプラークを除去することにより、歯肉の症状を改善します。
また歯肉が引き締まってきますので、歯周病、歯肉炎の予防にもつながります。
口臭の原因の一つである細菌をきれいに取り除くので口臭予防にも効果があります。 - 審美性の向上
- タバコやヤニや茶シブなどの沈着した色素を取り除き、光沢のある本来の歯面に回復します。
また、汚れを着きにくくします。 - PMTCは自分ではできない
- 歯や歯の周りには、バイオフィルムと呼ばれる細菌が作った膜ができます。
バイオフィルムはうがいや通常のブラッシングでは、なかなか取り除けません。
PMTCにより専用の器械を使って取り除くのが最も効果的な方法です。
また、歯ブラシの届かない所に汚れがたまりやすくなります。
PMTCはそのような所の汚れもきれいに落とします。
PMTCの流れ
1.ブラッシング状態、歯、歯肉のチェック
ブラッシングができていないところや磨きにくいところをチェックします。 歯石があれば取り除きます。
2.清掃・研磨
ブラシで表裏の汚れを落とします。
三角チップ(EVAチップ)で普段清掃しきれない歯と歯の間を機械的に清掃します。
やわらかいシリコンラバーチップで歯の表裏、歯と歯の間を研磨します。
フッ素塗布を行います。
3.洗浄
消毒薬でお口の中をキレイにし、歯肉ポケット内や歯を洗浄します。
トリートメントや舌もクリーニングします。口臭も予防します。
PMTC Q&A
- PMTCって痛みはないですか?何分くらいかかりますか?
- 柔らかいゴムでできたカップなどを歯にあて、回転させることにより汚れを取り除きますので、痛みを伴うことはありません。
歯面の清掃状態により、30~60分かかります。 - むし歯予防にも効果はありますか?
- 新しいむし歯の発生を抑えることができます。
また、PMTCを定期的に受け続けた人とそうでない人では6年間で1.4mmの歯肉の変化がみられるという報告もあります。
歯周病の進行を食い止める効果があります。 - PMTCを受ければ歯みがきはしなくていい?
- いいえ。 毎日の歯みがきは絶対必要です。
歯の健康はPMTCとセルフケアとの両立で維持することができるのです。 - どれくらいの間隔で行うの?
- 人によって歯や歯ぐきの強さ、細菌の状態、着色の程度などが異なるのでさまざまですが、一般的には3~6ヶ月に1度の割合で行います。
- 子どもにも必要ですか?
- 子供でも行ったほうがもちろん効果があります。
いくつでも早すぎる、遅すぎるということはありません。
いつから始めても一定の予防効果が期待できます。
歯周病の治療
歯周病のもっとも基本的な治療法は、プラークコントロールです。
病原性プラークを除去し、口の中のプラークを正常なレベルに維持し、環境を整えることが重要です。
そのために通常、歯垢や歯石の 除去とブラッシングの指導が行われます。